日本だと日常生活であまり使うことはありませんが、屋台や道にあるごはん屋さんが多い台湾では自営業の方も多く、”老闆”という言葉をよく聞きます。
小さいお店で何かを買うときも「老闆~我要一個XX」(店長さん、XX下さい)のような感じで使われていますし、「老闆になりたい」「あの人はXXの老闆だよ」のような会話もかなり身近に行われています。
私も初めて台湾に行った時はサラリーマンになることが普通だと思いこんでいたので、起業がこんなに身近なことなんだと驚いていました。商売に対しての意識が全然違いますよね。
このように老闆という言葉は生活にかなり根付いているのですが、意味や使い方に関して日本と違う概念や、気をつけたほうがいいことがあります。
今回は、老闆・老闆娘という言葉の意味・使われ方と、それぞれの台湾語について書いていきたいと思います。
目次
・老闆の意味
・老闆娘の意味
・台湾語の老闆・老闆娘
・まとめ
老闆の意味
老闆は社長・経営者・オーナーという意味です。
BOSSの意味もありますが、プロジェクトリーダーとか仲間内のリーダー的なBOSSには老闆とは呼ばないです。プロジェクトリーダーなら”組長”と呼びます。仲間内のリーダー…もしヤクザなら”大哥”とか”アニキ”(台湾語)でしょうか。とにかく経営者という意味が基本です。
そのへんの道にある滷肉飯のお店をやっている人も老闆、ヘアーサロンのオーナーも老闆、スーパーの社長も老闆です。一方、コンビニやガソリンスタンド、スーパー、携帯ショップなどチェーンストアで大きな会社の店舗のトップは日本と同じく”店長”と言います。
お客さんがオーナーを呼ぶ時は老闆と呼びますが、反対に店の人がお客さんを呼ぶ場合にも使ったりします。例えばお弁当屋さんに行った時、店員さんは「帥哥~你要什麼?」と言いますよね。そのときに帥哥の代わりに老闆を使ったりします。ただ、誰にでも使うわけではなく、帥哥と呼ぶぐらいの年齢じゃないと判断した場合に使われています。
女性の場合”小姐”と呼ばれるのは嬉しいと思いますが、男性である程度の年齢になっても”帥哥”と呼ばれるのは子供っぽい扱いをされてると思ってしまいますよね。
何歳から老闆と呼ばれるかは台湾人に聞いても明確な基準はないみたいですが、相方のお母さんは50歳ぐらいなら呼ぶと言っていました。確かに50歳になって”帥哥”と呼ばれても嬉しくはない気がします。それよりは社長と呼ばれたほうが地位が高い感じがあるので老闆と呼んで相手の気分を良くしてるのだと思います。
老闆娘の意味
老闆娘は社長(経営者)の妻、又は女性の社長(経営者)と言う意味です。
ここで注意すべきポイントがあります。上記の通り2つの意味があるので、女性が会社を立ち上げている場合、「私は老闆娘ではなく老闆だ!」と怒る女性もいるということです。ただの社長の妻という意味もあるので、誤解されたくないということでしょう。
しかし、小吃店とかで切り盛りしている女性に対しては老闆娘と呼ぶのはごく普通です。特に怒られることはないです。もちろん老闆と呼んでも全く問題ないです。私は、老闆と言ってたほうが安全かなと思って、あまり老闆娘は本人には使わなくなりました。
台湾語の老闆・老闆娘
老闆・老闆娘の台湾語は”頭家”(タォゲー)と言います。女性も男性も区別なく頭家です。
例えば市場で何かを買うときに、「頭家,這個多少錢」(これいくら?)「頭家~算便宜一點啦~」(もうちょい安くしてよ〜)みたいな感じで使ったりします。台湾語を使うことでおまけしてくれる確率もアップ間違いなし!
また、”頭家”と合わせて、董事長の台湾語の”董ㄟ”(ダンエイ)もよく使われます。董ㄟのままでつかっても良いですが、苗字+董ㄟで使う場合もあります。金さんに使うなら金董ㄟのような感じです。先程の頭家は苗字は付けずにそのまま使います。
八點檔と呼ばれる、平日夜8時から放映されるローカルドラマでは主に台湾語が使われているので、”董ㄟ”が使われているシーンを探してみました。
1分56秒から https://youtu.be/qacFwHcv3rM?t=116
「金董ㄟ~」と甘えた感じで言っていますね。こういうお店では、お客さんのことを董ㄟ(董事長=会社の経営者)と言って持ち上げるようです。こうして気分をよくさせて、お酒を注文させているんですね。
友達に何か軽い頼みごとがある時に冗談で「董ㄟ〜」と持ち上げて言ってみたり、台湾人の彼氏が居る方は、このお姉さんたちを真似して「董ㄟ〜給我錢~」と言ってみても面白いかもしれません。どこで覚えたの?!と爆笑されてほんとにお金がもらえるかもしれませんよ!
まとめ
今回は、老闆・老闆娘という言葉の意味と使われ方について説明しました。
目次
・老闆の意味
・老闆娘の意味
・台湾語の老闆・老闆娘
私も台湾で生活する前は、辞書で老闆=社長と調べて単語として知っていても、それ以上の細かいニュアンスまでは知りませんでした。老闆が身近な台湾ならでは使い方がたくさんありますね。
逆に台湾人からすると、日本語には”老闆”のような呼び方が色々あってどこでどの言葉を使えばいいかわからないようです。言われてみれば確かに、バーだったらマスター、寿司屋だったら大将など言われてみれば色々あります。街の小さな定食屋とかでおじいちゃんがやっている場合、なんて呼んだらいいの?と聞かれましたが、おじいちゃんと呼ぶのもおかしいような、おかしくないような…
最後に紹介した台湾語での表現の”頭家”(タォゲー)”董ㄟ”(ダンエイ)も使いこなせると、台湾人との交流が一層深くなると思いますので、是非覚えて使ってみて下さいね。