今回は、大使館巡り第二弾として、広尾駅から歩いて回れるコースの2つ目をご紹介したいと思います。
日本にある156ヵ国の大使館のうち東京港区には86ヵ国があつまっており、その中でも麻布エリアには特に多くの大使館があります。少し歩くだけでもこんなところに、と簡単に見つけられるので、楽しいですよ!
マップで黄色のピンを立てている7箇所です。では、見てみましょう。
目次
・ドイツ大使館
・駐日欧州連合代表部 + キプロス大使館
・フィンランド大使館
・パキスタン大使館
・イラン大使館
・フランス大使館
・まとめ
ドイツ大使館

ドイツ大使館
〒106-0047 東京都港区南麻布4-5-10
https://japan.diplo.de/
コンクリート打ちっぱなしが印象的なドイツ大使館。地上5階建てで、設計はMahler Guenster Fuchs Architekten氏。壁にはイラストが貼られていて、定期的に変わっています。現在は日独交流160年を記念して、それぞれの重要な歴史上の人物を展示していました。
ちなみにこの場所は、元々は中華民国大使館の官舎があった場所だそうです。中華民国は御存知の通り台湾ですが、国交が無くなってしまったため、台北駐日経済文化代表処という民間の機構が置かれています。こちらが実質的に大使館や領事館の役割を果たしています。


駐日欧州連合代表部

駐日欧州連合代表部
〒106-0047 東京都港区南麻布4-6-28 ヨーロッパハウス
https://eeas.europa.eu/delegations/japan_ja
ヨーロッパハウスと呼ばれるこの建物は、2011年8月に竣工しました。設計は大成建設とパリ空港公団の子会社であるADPIで、地下1階、地上6階建てです。地下1階・1階が共用部分で、2階から上部は住宅棟とオフィス棟の2棟に分かれています。地震の経験が少ない欧州職員の不安を取り除くために、ハイブリッドTASS構法+オイルダンパーの免震システムを採用しているようです。
オフィス棟の4階にはキプロス大使館も入居しています。キプロスは地中海にある島国で、トルコの南側、シリアの西側に位置します。首都ニコシアの一部を含む島の北半分は、”北キプロス・トルコ共和国”という世界でトルコのみが承認している国に分かれています。


フィンランド大使館

フィンランド大使館
〒106-8561 東京都港区南麻布3-5-39
https://finlandabroad.fi/web/jpn/ja-frontpage
フィンランドの国章は戴冠したライオンで、剣をもっている右腕だけ人間の腕で、ロシアの剣を踏みつけているデザインです。
1983年から南麻布のこの場所に大使館を開設しているようです。また、敷地内には2020年10月6日にメッツァ・パビリオン (METSÄ PAVILION)が竣工しました。
メッツァ・パビリオンは、フィンランドの建築事務所Helin & coによって設計され、フィンランドのMetsä Wood社が開発したKerto LVL®を使用しています。この積層単板材は持続可能な森林環境で育てられたフィンランド産の木材を使用していて、建物は分解後に再び組み立てることができるということで、サステナビリティに力を入れていることをアピールしています。
このLVLをフィンランドで組み立てて日本に運んでくることで、わずか3週間で完成し、建設中に出た木屑も全て再利用したそうです。一般公開もすることがあるようなので、入ってみたいですね。

パキスタン大使館

パキスタン大使館
〒106-0047 東京都港区南麻布4-6-17
https://pakistanembassytokyo.com/ja
こちらのパキスタン大使館は、2006年に南麻布の現在地に移転しています。ドイツ大使館にも似た、現代感が漂うコンクリートの外観です。シンプルできれいですが、アラビア文字で表記するパキスタンの国語である”ウルドゥー語”が表札に書いていなければ、現代美術館と間違えることでしょう。
建築に関しての情報はあまり有りませんでしたが、とにかく広いです。隣のヨーロッパハウスより少し小さいぐらいの莫大な敷地を擁しています。

イラン大使館

イラン大使館
〒106-0047 東京都港区南麻布3-13-9
https://japan.mfa.gov.ir/jp
他の大使館から少しだけ距離があるイラン大使館。日本設計とイランの建築デザイン会社 Bavand Consultantsによって設計され2004年8月に竣工しました。ここまで見てきた大使館の中でも、トップレベルに壮大な建物です。竣工してから15年以上経っているようですが、今でも新しく感じさせられるデザインですね。


遠くから見ると遊戯王カードに見えなくもないですが、壁にはイランの建築や自然などの名所が紹介されています。どこも本当に美しいので、人生で一度は必ず訪れたいです。ちなみにイランに入国すると、アメリカにはビザ免除プログラムを利用して行くことができなくなります。

大使館の対面には、イラン人の学校もあります。ペルシャ語の表記しかないので、ここだけ見ると東京にあるとは全く思えない雰囲気を醸し出していますね。横の掲示板には、プロパガンダのポスターが貼ってあります。

フランス大使館

フランス大使館
〒106-8514 東京都港区南麻布4-11-44
https://jp.ambafrance.org/
美術館のような外観ですが、敷地の中には徳川幕府時代からのこる庭園があり、「森のオフィス」をテーマに設計されているようです。地下1階・地上5階建て。
日仏交流150周年を記念し、竹中工務店とADPIの日仏共同設計チームによって2009年に建て替えられています。日本とフランスの建材を多数使用しているとか。イベントもよく開催されるようなので、中も見てみたいですね。
ちょっと先まで歩いても、まだ大使館の裏門がありました。かなり広大な敷地です。

